あなたは英語を話している時に、言いたいことが伝わらなかったり、聞き返されたりした経験はありませんか?
一生懸命覚えたフレーズを使ってもイマイチわかってない表情をされたり、何度も聞き返されたりすると、スピーキング力に自信が持てなくなりますよね。
語学留学経験者や、英検・TOEICなどの資格試験で好成績を残している人なら、なおさら悔しいだろうと思います。
実はこれ、日本人だけではなく、非ネイティブ全体に共通する悩みなんです。
英語が伝わらないと言っても、原因は人それぞれ。あなたの原因はどれなのか、このブログでご紹介する6つの原因で確かめてみてください。
「そんなのはいいから、解決法だけさっさと教えてほしい」と言う声が聞こえてきそうですが、原因を特定せずにいろんな方法を試すのは、時間のムダです。
それよりは、なぜ聞き返されるのかという理由をしっかり把握し、自分にあった解決法で練習することで、効率的に練習の成果をあげることができますよ。
それでは早速、あなたの英語が伝わらない原因を深堀していきましょう。
1. カタカナ発音をしている
あなたの英語が伝わらないときは、カタカナ発音などの英語らしくない発音をしていることが原因かもしれません。
語学研修に参加したり、英語を話す仲間がいたりして、ある程度英語を話すことに慣れている人ほど、自分の発音のクセに気が付きにくいものです。
英語は日本語とは全く違う言語です。「何を当たり前のことを言っているんだ!」とお叱りをうけそうですが、ここをきちんと理解せずに英語学習をしている人は、とてもたくさんいます。
英語が日本語とは全く違う言語だと言うことは、日本語の発音、つまり「カタカナ発音」で英語を話すと通じにくくなるということです。
カタカナ発音とは、例えば「I like this book.」という時に、「アイ ライク ディス ブック」という風に日本語の音として発音することです。
単語によっては、カタカナ発音でも何とか通じることもありますが、それに慣れていない人にとっては理解が大変難しく、英語として認識されないことも。
そのことを逆手にとって、私はアメリカに留学中にバーで絡んでくる人がいると、「アイ ドント スピーク イングリッシュ!」とカタカナ発音で答えていました。相手がしつこく話しかけてきても、それだけを繰り返すと、相手は何を言われているのか全くわからず、あきらめていきました。
2. 単語のアクセントが間違っている
単語のアクセントとは、単語の中で強く読むところのこと。辞書ではアクセント記号「ˈ」がついています。
例えば「compromise(妥協する)」という単語のアクセントは、赤字の部分です。
compromise(妥協する)(/ˈkɑːmprəmaɪz/)
赤字以外のところを強く読むと、とても不自然に聞こえるので、聞き手の思考は一瞬止まります。1語だけならいいのですが、そういうことが何度かあると、相手は、「なんか、この人の英語聞きずらいな・・・」と思ってしまいます。
ここで体験談を1つ。非ネイティブのスタッフと、会議の後に行われる懇親会の段取りについて話をしていた時のことです。
参加者にはマイクロバスに乗って懇親会会場に移動してもらうことになっていたのですが、その人が突然、オレンジと言ったのです。
「マイクロバスの話をしてるのに、なぜオレンジ???」と訳がわからなくなり、話についていけなくなってしまいました。
よくよく聞くと、「arrange(手配する)」という動詞のアクセントが間違っていたために、「orange(オレンジ)」と聞こえてしまったことが判明し、2人で大笑いしました。これくらいのミスなら可愛いもんですね。
3. 間の位置が不自然
多くの日本人ははっきり話そうとするあまり、単語を1つ1つ区切って読んだり、息が切れたところで間を置いたりする読み方をしていますが、そのような話し方では意味がわかりづらいので、聞いている相手はストレスを感じます。
聞きやすく分かりやすい英語を話している人は、単語1つ1つではなく、意味が切れるところでほんの一瞬の間を置いています。
意味が切れるところというのは、大体が「句」や「文節」、カンマ(,)やピリオド(.)のある位置を指します。
節は主語と述語を含む単語のグループで、句は主語と述語を持たない単語のグループです。例文の青字の部分が節、オレンジの部分が句です。
少女は深く暗い森の中を、あてもなくさまよっていた。
The girl wandered aimlessly through the deep, dark woods.
この例文の意味が切れるところで、一瞬の間をおいて発音してみましょう。間を置くところは、赤のスラッシュ線を入れてあるところです。
意味の切れるところではなく、単語ごとに区切って読むと、次のようになります。
この例文は短いからまだいいのですが、少し長い文でこのような話し方をされると、話の大事なところや全体的な意味がぱっとわかりづらいので、聞いている相手はかなりのストレスを感じます。これはイントネーションにもかかわってくることなので、次の項目で詳しく説明します。
4. イントネーションが不自然
イントネーションとは、話す時の自然な音の上がり下がりや、強く言ったり弱く言ったりすることを指します。
日本語はイントネーションがかなりフラットですが、英語は伝えたいメッセージや与えたい印象によって、まるで音楽のようにイントネーションが大きく変わります。
1つ1つの単語の発音が完璧で、文法的に正しい英語を話していても、イントネーションの少ない話し方をすると、伝わりやすさが激減します。
映画や海外ドラマで時々見るような、大げさなイントネーションは必要ありませんが、言いたいことをきちんと伝えるためには、適度なイントネーションが欠かせません。
なぜイントネーションが少ないと、伝わりにくいのでしょうか?その主な理由は2つあります。
1. 話の中で大事なところがわかりにくい
TED Talksを聞くとわかりやすいのですが、スピーカーは強調したい部分を強く言ったり、間をとったり、声のトーンを上げたり下げたりして、他の部分とはあきらかに違う話し方をします。
聞いている人が話を理解しやすいように、イントネーションを巧みに使って、「ここが重要なところですよ」と教えてくれているんです。
しかしイントネーションが少ないと、その大事なところがわかりにくい。それは聞いている方にとってはストレスなので、聞き返されたり伝わらなかったりする確率が高くなります。
2. 意味が切れるところがわかりにくい
イントネーションが少ない話し方をすると、どこで話の一区切りがあるのかがわかりにくくなります。すると相手は、話についていくのが難しくなるので、理解を確かめようとして聞き返してくるのです。
イントネーションが少ない話し方は、質問したり意見を述べたりするタイミングもわかりにくいので、相手はストレスを感じてしまいます。
5.文法が間違っている
あなたの英語が伝わらない理由は、文法が間違っているからかもしれません。
私たちは中学から高校にかけて膨大な量の文法を学びますが、これらがすべて会話で必要かというと、そうではありません。
会話で使う文法は話す相手や状況によって変わってくるので、一概に「これだけやれば大丈夫!」と言えませんが、伝わる英語を話すために、最低限これだけは押さえておかなければいけない文法はあります。それが、以下の3つです。
- 正しい語順
- 代名詞
- 時制
詳しくは下記の記事で説明していますので、興味のある方は読んでみてください。
英語は日本語と違い、正しい語順で話すことで伝わる言語なので、日本語のような柔軟さはあまりありません。また、主語や目的語として使われる代名詞や、いつのことを話しているのかを判断する時制なども、間違えると相手が内容を理解できない可能性があります。
これら3つの文法は、数ある文法知識の中でも基礎となるものです。ビジネスシーンやアカデミックな場でこれらを間違ってしまうと、プロフェッショナルとしての信頼を失うリスクもあるので、決してあなどれません。
三人称単数形はあまり問題ではない
多くの人が間違うことを気にする、いわゆる三単現のS(動詞の三人称単数形)は、実は思っているほど問題にはなりません。主語さえ間違えなければ、三単現のSを忘れても十分通じるからです。ネイティブでも間違ったりします。
ただし、VIPが参加するイベントや会合、公的な文書、ビジネス文書、アカデミック・ライティングの場合は、三単現のSをつけ忘れるとプロフェッショナルではない印象を与えかねないので、気をつけるにこしたことはありません。
6. 難しい語彙や複雑な構文を使って話している
「発音やイントネーション、アクセントなどは正しくできているのに、なんか聞き返されるんだよね」と感じているなら、次のリストで当てはまるものがあるか、チェックしてみてください。
- 主語を関係代名詞や接続詞で長くしている。
- 高校や大学で学ぶ難しい構文を使っている。
- 接続詞(and, soなど)でつないで文を長くしている。
- 受動態を使っている。
- 無生物主語(物、場所、概念など人間以外のもの)を使っている。
- 専門用語や略語を使っている。
- 一般的ではない難しい単語を使っている。
- ネイティブっぽい熟語を使っている。
いかがでしたか?当てはまるものが1つでもあれば、それが聞き返される原因かもしれません。
チェックリストに書いてあることは、やってはいけないことではありません。むしろ、会話の相手や状況によっては、適切な場合もありますし、メールやアカデミック・レポートを書く時には必要なことと言えます。ネイティブが相手なら、何ら問題ない時もあります。
ただ、会話中の伝わりやすさにフォーカスするなら、チェックリストに書いてあることは、どうしても必要な場合を除き、できる限り避けた方がよいです。
特に、相手の英語のレベルがわからない時や、非ネイティブ同士で会話をする場合は、そうした方が伝わりやすさは断然アップします。
ここで私の体験談をシェアさせてください。
米国留学を終え、スリランカに赴任しました。スリランカではシンハラ語とタミル語が話されていますが、英語も通じると聞いていました。
赴任直後の週末、ベッドカバーを自作しようと地元の生地屋さんに行きました。
英語を話す店員さんに生地の希望を伝えましたが、全く伝わりません。やり取りを続けていると、店員さんが突然テーブルを叩き、「I don’t understand you!(あんたの言ってること、全然わかんね~んだよ!)」と怒鳴りました。
私は生地の特徴を詳しく伝えたいがために、複雑な構文と一般的ではない単語を使っていたのです。わかりやすい単語と文法を使って、短く簡潔な言い方をしていたら、違った結果になったのではないかと思います。
あなたの話がわかりにくいと思われてしまえば、私の体験のように、せっかくのコミュニケーションがネガティブな結果に終わってしまうかも。
ちなみに、相手が微妙な笑顔で「un -hun」とか「yeah」ばかり言っていたら、あなたの英語は伝わっていない可能性大。あなたも相手の言っていることがわからない時は、適当な相槌と笑顔でやり過ごしたことはないですか?それと同じです。
私は英語学習を始めたばかりの時に、「un -hun」ばっかり言っていて、「全然人の話きいてないでしょ!」とキレられたことがあります。単純にそういう相槌が「ネイティブっぽくてカッコいい」と思っていたからです。
私と同じミスをおかしませぬよう、ご注意ください。
最後に
いかがでしたか?
あなたの英語が伝わらない原因は、この中にいくつあったでしょうか?
全部が当てはまっていても、心配しないでください。原因がはっきりしていれば、どのように対処していいのかわかるので、上達が早くなります。
下記の記事には、今回説明した6つの原因を解決する、具体的な練習方法とツールをご紹介しています。興味のある方は読んでみてください。
英会話の上達でネックになることは、何が原因で伝わらないのかが自分ではよくわからないことです。自分では発音は問題ないと思っていても、実は発音が原因だったりするのはよくあることです。周りに原因を指摘してくれる人がいればいいのですが、そんな人はなかなかいませんよね。
そんな時は、英会話レッスンを活用しましょう!英語初心者ほど、日本語で質問できるバイリンガル講師のレッスンをお勧めします。
Kyanbridge Englishnの英語コミュニケーションコースでは、ネイティブにも非ネイティブにも伝わって好かれて自信が持てる英語に特化した、完全オーダーメードのマンツーマンのオンラインレッスンを提供しています。あなたの英語が伝わらない原因を探り、それに特化したレッスンを受けることができます。
また、受講回数に縛りがないので、単発だけ、1か月だけ、なども可能です。
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それでは次のブログでお会いしましょう!