一生懸命英語を話してもなかなか通じない時、どのような方法で改善していけばいいのでしょうか?
それは、あなたの英語が伝わらない原因が何かによります。伝わらない原因は大きく分けて6つあります。
6つの原因については、以下の記事に詳しく書かれています。まずはそれを読んで、自分の英語が伝わらない原因を把握しましょう。自分の原因を把握したら、このブログを読み進めてください。
あなたの英語が伝わらない原因を把握したら、次はその解決法を見ていきましょう。このブログでは、原因ごとの具体的な解決方法をご紹介していきます。
全てを行う必要はありませんが、英語ガチ勢であれば、総合力をアップさせるため、全て行うことをおすすめします。
1. 英語らしい発音を練習する方法
カタカナ発音や間違った発音を直す方法は、「お手本を聞いてその通りに発音する」という方法を愚直に繰り返す、ということにつきます。
それでは、身の回りにあるツールを使って、発音の練習をする方法をご紹介します。
オンライン英英辞典や電子辞書でチェックする
単語の発音を確認するには、オンラインの英英辞典や、発音を確認できる機能がついている電子辞書で発音を確認することをおすすめします。
私はよく、Oxford Learner’s Dictionaries を使っています。英英辞典は全てが英語表記なので、初心者の人は使いづらく感じるかもしれませんが、下の画像の赤で囲っているところに英単語を入力して、キーボードのENTERキーを押すだけで使えます。
それでは、「リスペクト」の正しい発音を、Oxford Learner’s Dictionariesで確認してみましょう。
単語のすぐ下にあるスピーカーのアイコンをクリックすると、音声が流れます。青がイギリス英語、赤がアメリカ英語の発音です。
お手本のように発音するコツは、聞いた通りに発音してみること。当たり前に思えるかもしれませんが、これが意外に難しいんです。
たいていの人は単語を見ながら音声を聞いて、発音練習をします。すると、なぜか自分の発音のクセに引きずられやすくなるんです。そんな時は、目をつぶって練習することで、聞くことに集中できます。
私は中学生の時、スペルを覚えるために、restaurantを「レスタウラント」、chairを「クハイル」と発音していたことがありました。一度そのように覚えると、修正するのは結構労力がいるので、最初から正しい発音を身に着けた方が時間の短縮になります。
オンラインツールで練習する
英語らしい発音の特訓をしたい人は、オンラインツールを使うと楽しく効率的に学習できます。練習教材は、自分の好きなものでOKです。自分が気に入ったもので練習すると継続しやすいですよ。
参考までに、私が実際に使って良かったと思うものをご紹介しますね。
【母音と子音の発音練習ツール】
アリ―とファジーというかわいいゆるキャラたちが、母音と子音の発音のコツをわかりやすく説明します。役に立つ言い方などの動画も充実していて、大人も十分楽しめます。アメリカ発音です。
【比較的長い文章の発音練習ツール】
NaturalReaderは、比較的長い文章の発音練習をする時に便利なツールです。いろいろな国のアクセントや声のトーンを選ぶことができるので、自分の好みに合わせて設定できます。合成音声とは思えないほど自然な発音です。使い方は、「NaturalReader 使い方」などと検索すると、様々な日本語の解説サイトが表示されます。
【実際の会話から学べるツール】
私の一押しです。このツールを使うと、特定の英語の単語やフレーズが、ネイティブスピーカーによってどのように発音され、実際の会話でどう使われているかを、ビデオクリップで見ることができます。単語やフレーズを入力するだけで、関連するビデオクリップがすぐに見つかるので、とても便利です。
自分の声を録音して、お手本とチェックする
正しく発音できているか客観的に確認したいときは、スマートフォンなどで自分の発音を録音して、お手本と聞き比べてみましょう。
自分ではうまく発音できているつもりでも、実際に録音して聞いてみると、思っていた発音と違っていることはよくあります。
独学で英語を学んでいる場合は、他の人から自分の発音に対するフィードバックをもらうことができませんので、録音して自分で確認することが重要になります。
この方法を提案すると、「自分の声を聞くなんて、苦行だ・・・」と表現した生徒さんもいましたが、いい発音を手に入れるためのショートカット的な存在だと捉えて、ぜひ試してほしいと思います。
録音した自分の声は、相手が聞いているものとまったく同じです。自分の声を客観的に聞いた時に違和感を感じなければ、あなたのスピーキング力は上達しているということ。自信を持って話せるようになりますよ。
マンツーマンの英会話レッスンでチェックしてもらう
あなたの発音のどこに問題があって、どのように改善していけばいいのかということについて、詳細なフィードバックと具体的な改善プランを出してくれるのが、英会話レッスンです。
グループレッスンでは、講師が生徒一人あたりに対応できる時間が限られてしまうので、初級者ほどマンツーマンレッスンを受けた方が効率的です。
オンラインレッスンなら通学の時間も省けますし、お化粧や服装を気にしなくてもいいので、リラックスして受講できますね。
レッスンで発音をチェックしてもらう時は、BBCの英語など特定の発音を目指すのではなく、聞き取りやすさにフォーカスしたフィードバックをお願いしましょう。
どんなに頑張っても発音しづらい音というのはあります。そこばかりを練習するよりは、聞き取りやすさを上げるための練習をする方がモチベーションを保ちやすくなります。
ちなみに、職場の同僚や友人に「この発音わかりやすい?」と聞くのはあまりお勧めしません。なぜなら、「あなたの発音はわかりにくい」とはなかなか言えないからです。
言ってくれたとしても、どこがどんな風に聞きづらいのかという詳しいフィードバックはあまり期待できないでしょう。
2. 単語の正しいアクセントを練習する方法
単語の正しいアクセント位置は、先ほど紹介したオンライン辞書や電子辞書、オンラインツールで簡単に確認できます。
アクセントの位置を確認する方法は2つ。
- 音声を聞いて強く発音されているところ
- 辞書でアクセント記号「ˈ」がついているところ
単語によっては、動詞と名詞でアクセントの位置が変わるものがあったり、日本語になっている単語で英語とアクセント位置が異なるものがあるので、注意が必要です。
【動詞と名詞でアクセントの位置が異なる単語の例:object】
動詞: object /əbˈdʒekt/
名詞: object /ˈɑːbdʒekt/
【日本語とアクセントの位置が異なる単語の例:present】
日本語: プレゼント
英語: present /ˈprezənt/
単語を正しいアクセントで練習すると、聞き返される頻度が格段に下がるので、ぜひ練習してみてください。
単語を単体として発音すると正しいアクセントで言えるのに、文全体を発話するとなかなか言えない時があります。特に、間違ったアクセントで覚えている単語は、その傾向が強くなります。
これを解決する方法は、とにかく発話すること。その文をスラスラ言えるようになるまで、10回でも30回でも繰り返し練習するしかありません。
3. 適切な間の位置を練習する方法
相手にわかりやすく話すためには、意味のあるところで一瞬の間を置いたり、英語らしいイントネーションで話すことが大切です。それぞれを学ぶ方法について見てみましょう。
適切な位置に間を置けるようになるためには、中学英語の文法をしっかり勉強し、基本的な文の構造をしっかり身につけること。そうすることで、どこで意味が切れるのかがわかり、適切な場所で間を置くことができるようになります。
意味が切れるところというのは、「句」や「文節」、カンマ(,)やピリオド(.)のある位置だと思って差し支えありません。
間は、まばたきくらいのほんの一瞬にしてください。1秒以上間を置くと、聞いている相手は「どうした???」と不安になります。
4. 適切なイントネーションを学ぶ方法
適切なイントネーションを学ぶ方法は、先にお勧めしたYouGlishなどの動画や、映画、テレビドラマ、ポッドキャスト、ニュース、インタビューなど、とにかくたくさんの種類の音声を聞くことです。
ここでは映画を例に上げて説明します。教材に使う映画は、次の条件に当てはまるものを選んでください。
- すでに何度も見て内容がしっかり頭に入っているもの
- 英語字幕が選択できるもの
最初から順番に見る必要はなく、自分が好きなシーンから始めてOKです。
初級~中級者の場合
英語らしいイントネーションの「感じ」をつかむことにフォーカスしましょう。具体的には、登場人物の話す英語のイントネーションが、気持ちと状況でどんな風に変化しているのかを意識すると良いです。
意識する3つのポイント
- どんな気持ちや状況の時に、語尾が上がった(下がった)のか
- どんな気持ちや状況の時に、音程が高く(低く)なったのか
- どこで間(一瞬でも発音が止まっているところ)をとったのか
具体的な手順:
- 好きなところで画面を止め、字幕に表示されている英語をノートに書く。
- 意味や発音がわからない単語があれば、事前に辞書で調べておく。
- 再生して、一度全体的なイントネーションを確認する。
- 再生して、「意識する3つのポイント」に関する情報をノートに書く。
- 再生して、同じように言えるまで練習する。
- 自分の発音を録音する。それと映画の音声を聞き比べて、繰り返し練習する。
中級~上級者の場合
「初級~中級者の場合」に記載されている「意識する3つのポイント」に加えて、次のポイントを意識します。
- どの部分を強く発音しているのか
- どの部分を弱く発音しているのか
- どこでスピードが速く(遅く)なるのか
具体的な手順:
- 【初級~中級者の場合】に記載されている「具体的な手順」の1~3を行う。
- 再生して、「意識する3つのポイント」に関する情報をノートに書く。
- 再生して、同じように言えるまで練習する。
- 自分の発音を録音する。それと映画の音声を聞き比べて、繰り返し練習する。
5. 短くてシンプルな言い方をする方法
今や、世界中で英語を話す人口の7割以上が非ネイティブスピーカーで、そのレベルも様々です。あなたにとっては簡単な表現でも、相手にとってはそうではないかもしれません。
これからはますます、ネイティブにも非ネイティブにも伝わりやすい英語を話すことが求められます。
ネイティブにも非ネイティブにも伝わりやすい英語とは、「読んだり聞いたりした時に、すぐに理解できる短くてシンプルな英語」のことです。
あなたの英語をそんな英語に変えるコツは、次の5つ。
- 頭で考える日本語をシンプルにする
- 一般的で簡単な単語を使う
- シンプルな文法を使う
- 能動態で表現する
- 接続詞や関係詞で文章を長くしすぎない。
それでは早速、それぞれについて詳しく解説していきましょう。
頭で考える日本語をシンプルにする
私たち日本人は日頃から、大人としてふさわしい(難しい)語彙を使い、接続詞でつなげながら長く話す傾向があります。
それは、「読んだり聞いたりした時に、すぐに理解できる短くてシンプルな言い方は、幼稚だ」という思いこみがあるから。そのため、日本語と同じように英語を話し方をしてしまう人がとても多いんです。
国際的な研究によると、高学歴で専門知識を持つ人々ほど、わかりやすい、シンプルな英語を好むそうです。
短くてシンプルな言い方の代表格は、故スティーブ・ジョブズやオバマ元大統領。彼らの英語を聞いて、「幼稚だ」と思う人はいないでしょう。
印象を決めるのは使う単語や文法で作られるのではなく、声のトーンや、間、ボディーランゲージや顔の表情など、言葉以外の要素です。短くシンプルな文は、自信を持って堂々と話せば、決して幼稚な言い方にはなりません。
英語脳の人以外は、頭に浮かんだ日本語を英語にしていると思います。「読んだり聞いたりした時に、すぐに理解できる短くてシンプルな英語」を話すためには、頭に浮かんだ日本語をできるだけ簡単にすることです。
例えば:
大きく意味を変えずにできるだけ簡単な日本語にするコツは、日本語が不得手な人にもわかるように、簡単な言葉で言い換えることです。例えば:
考慮する→考える
実施する→行う
利用する→使う
日頃からこうした習慣をつけておくことで、英語を使うときにシンプルな表現が思いつきやすくなります。
一般的で簡単な単語を使う
一般的な単語を学習するのにおすすめの単語集は、NGSL1.2です。
NGSL 1.2は、英語学習者のために特に重要な2809語を集めた単語集で、日常的に使われる単語の92%をカバーしている優れモノ。正直、最初に使う単語集としてこれ以上最強のものはないとすら思います。
2809語というと多く感じるかもしれませんが、aやtheなどの冠詞などの簡単な単語も含まれているので、初級者でも知っている単語が多く含まれています。
NGSL1.2を使わない場合は、英検3級~準2級の単語集で学習するといいかと思います。
難しい単語も学んでいきたい人は、「類語辞典」を使って、NGSL1.2に載っている単語の類語をチェックするといいでしょう。類語辞典には言い換えに使える別の簡単な単語だけではなく、難易度の高い類語も載っているので、効率的に語彙力を伸ばすことができますよ。
シンプルな文法を使う
ここでいうシンプルな文法とは、中学英語の文法のことです。
中学英語で学ぶ文法は、ネイティブにも非ネイティブにも伝わりやすい英語を話すための基礎で、これを使うと、どんな相手にとっても理解しやすい英語になります。
中学英語の文法を勉強するには、中学生用の参考書や問題集を使うのが1番。本屋さんに行けばたいてい手に入るかと思います。
初級者や中級者は、最初から分厚いものを選ばずに、できるだけ薄くて説明が簡単なものを選びましょう。
上級者の場合は、難しい文法に慣れすぎているので、中学英語でカバーされている文法がどんなものなのかを把握するために、さらっと復習することをお勧めします。
英語は、日本語のように語順を変えても伝わるほど柔軟な言語ではありません。聞き返されない英語にするためには、語順の法則をしっかり学ぶことが大切です。そのためには、次の3つの構文をしっかり身につけましょう。
構文 | 例文 |
主語(S)+動詞(V) | I got up. (私は起きた。) |
主語(S)+ 動詞(V) + 目的語(O) | I got a latte.(カフェラテを買った。) |
主語(S)+ 動詞(V) + 補語(C) | I am ready for the day. (私は1日の準備ができた。) |
この3つの構文を自由自在に使えるようになると、「読んだり聞いたりした時に、すぐに理解できる短くてシンプルな英語」を話せるようになります。
能動態で表現する
聞いてすぐに意味が伝わる英語では、「誰が何をする」のかがはっきりしています。そのような話し方をするには、「能動態」を使うのが効果的です。例文で見てみましょう。
Our team will complete the program within a month.
(我々のチームが1か月以内にプロジェクトを完了します。)
これを受動態を使って言うこともできますが、受動態では、動作を受けるものが主語となるので、誰がその動作をするのかがはっきりしません。
The project will be completed within a month. (そのプロジェクトは1か月以内に完了する予定です。)
あとで責任逃れができそうな言い方ですね(笑)。
能動態を使うもう1つのメリットは、途中までしか話を聞けなくても、ある程度意味がしっかりわかることです。
The cat chased the mouse under the table.(その猫がテーブルの下でネズミを追いかけました。)
この例文では、途中で話が終わっても、「猫が追いかけた」という意味が伝わります。
文脈によっては受動態を使った方が伝わりやすい場合もありますが、可能な限り能動態で表現してみましょう。スティーブ・ジョブズのように力強く明確な言い方になりますよ。
接続詞や関係詞で文章を長くしすぎない
せっかく短い言い方にしても何だか落ち着かなくて、ついついandやbutなどの接続詞や、whoやwhichなどの関係詞を使って、言いたいことを長くしてしまう人がいます。
こんな風に話すとネイティブっぽく聞こえるように思いますが、発音やアクセント、イントネーションにクセがあると、とたんに何が言いたいのか、話のポイントがどこなのかがわかりにくい言い方になってしまいます。
ネイティブっぽさを目指すより、誰にでもわかりやすい言い方を目指すと、聞き返されたり言いたいことが伝わらないといったリスクは格段に減ります。
自信をもって、次のように短く言いましょう!
最後に
一生懸命言った英語を、聞き返されることなくすぐに理解してもらうためには、次のことが大切です。
- 発音、アクセント、イントネーション、文法の各要素をバランスよく練習する。
- 短くて明確な表現を心がける。
このブログのアドバイスを実践することで、確実に英語の聞き返される頻度が減るだけではなく、堂々と自信を持って話せるようになります。
お伝えしたいろいろな解決法は、毎日継続することが最大のコツです。最初は短時間でもいいので、まずは継続しやすいやり方を見つけて、実際に継続することが重要。
短時間でいいと言っても、毎日の学習時間が10分だと、正直なところ英語を話せるようになるまでに、途方もない時間と労力がかかります。
例えばあなたのレベルが英検3級だとします。それを準2級に上げるためには、最低約200時間の学習時間が必要だと言われています。1日10分の勉強で200時間に到達するためには、3年と3カ月ちょっとかかると言うことです。気が遠くなりますね。
できるだけ効率的に学習したいのであれば、とにかく最低1時間できるようになることを目標に、自分なりのやり方を見つけていきましょう。
そうは言っても、日々の生活や仕事が忙しくて、英語学習の時間を捻出するどころか継続するのはかなりハードルが高いかもしれません。
しかし、英語を身につけたいと思うなら、何とかして時間を確保するしかありません。その時に手っ取り早いのは、英会話レッスンを受けることです。定期的にレッスンを受けることで、英語学習を継続できる環境が整います。
Kyanbridge Englishでは、あなたの英語学習に関する様々なお悩みの解決法をお伝えしています。興味のある方は、ワンストップサポートや無料相談にお申込みくださいね!
それでは次のブログでお会いしましょう!